水洟を啜る抱つこの子も我も ほか(2024年澤2月号掲載句)
水洟を啜る抱つこの子も我も 電動吸引器に溜まり水洟泡立ちぬ 風邪の子やシロップお代はりせがみ泣く 布団に収む口呼吸なる子の手足 子を移せし後の布団の湿りかな ---- 「澤集」三席をいただきました。ありがとうございます。 「水洟を啜る~」は、澤四十句にも入れていただきました。 子どもの風邪、ほんとうにつらい。 何がつらいって、たいてい親もうつされて身体がきついなか それでも子どもの世話を代わってくれる人はいないということ。 その上、夜も鼻水だらだらで息苦しく眠れない子どもの姿を見るのはつらいし、 もちろん子どもが起きたら自分も起こされる。結果、眠れないから回復も遅い。 健康であることのありがたさを、子どもが風邪をひくたび実感します。 「布団に収む口呼吸なる子の手足」は、小澤先生に手直ししていただいていました。 もともと提出していたのは、「口呼吸の子の手足布団に収めけり」。 添削いただいての反省。 ・提出句は文章として「布団に」の位置が不自然だった。 ・添削後の句は、五七五のリズムができて、おさまりがいい。 ・提出句は「布団に収める」という親の行為に重きが置かれますが、 添削後の句は「子の手足」で終わることで、 風邪をひいた子どものだらんと力の抜けた手足、その熱さも想像されます。 まずはきほんの五七五、だいじですね。 声に出して読んだときに無理がないか、提出前にチェックしようと思います。