第3回鈴木六林男賞 秀逸賞を受賞しました

豆椅子

つけ置けば上履き浮かび夏きざす

ビニル人形の旋毛より泡水遊び

夏掛を腹に巻き取る子の寝相

夜泣きの子揺らす冷房一度下げ

中古絵本の名前黒塗り梅雨寒し

涼しさや撥条透けしオルゴール

豆椅子の笛の音甲高き溽暑

五本指ソックスに上がる社殿や風薫る

小さき跣足よ子宮蹴られし日よ

がらがらと積み木かき分け昼寝せり

味噌汁の匂ふ廊下やさつき雨

噴水やアームホルダーの子も濡らし

祭太鼓一台園児三人順に打つ

粉ミルク缶開栓したり秋の朝

複写式連絡帳記す筆圧地虫鳴く

ぼたん掛けの二歳の鼻息きりぎりす

半月や児の描きし絵を少し捨つ

絆創膏好きなだけ貼らせ秋日和

眠る子の鼻ぴいぴいと天の川

月まるき国道を子の眠るまで

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昨年のことになりますが、鈴木六林男賞の準賞「秀逸賞」を受賞しました。

俳句をはじめてから、NHK俳句、NHK全国俳句大会、

所属結社の澤関連にしか投句をしたことがなかったのですが、

たまたま堀田季何さんのポストを見て賞の存在を知り、応募してみました。

(20句で応募できる、ということが決め手で…)


そもそも賞への応募経験がなく、まったくの無策で応募させていただいたものだったので

まさかという感じで、驚きました。選考委員の皆さま、お選びいただき本当にありがとうございました。

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