保護児童の光るシューズや秋夕焼 ほか(2024年澤1月号掲載句)

保護児童の光るシューズや秋夕焼

迷子黙りパックジュース吸ふ冷やかに

かさぶたに浮く軟膏や夕月夜

蜻蛉蜻蛉蜻蛉嬰の指す蜻蛉どれ

月や剝ぐ母乳パッドのフィルム二枚

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「保護児童~」「迷子~」の句は、ちょっと変わった体験をもとにつくりました。

日が沈んでしまった秋の夕方、娘ちゃんをお風呂に入れ、

ごはんの準備をしているときにインターホンが鳴りました。

モニター画面でみてみると、男の人と、後ろにうろうろしている男の子。

ご近所さんかなと思って出てみると、

「この子のおうちの方ですか?」と、その男の人に質問されました。

??


その男の人は配達員さんで、もう暗くなっているのに一人で出歩いている

この男の子を見かけて声をかけたそう。

どうやら男の子がわが家に入ろうとしていたとのことで、

うちの子なのかなとインターホンを押したのだそうです。


見かけない子で、5歳と言うもののどこから来たのか

きちんとこたえられる様子ではなかったので、

配達員さんが警察に通報してくれました。


警察が来るまで配達員さんが一緒に待ってくれたのですが、

夕方でお腹空いているかなと、家にあったお菓子、

パックジュースをあげるとすぐにたいらげてしまいました。


しばらくするとパトカーが到着。

警察官にいろいろと質問をされ、男の子はパトカーに乗せられていきました。

その後どうなったのかはわかりませんが、無事にお家に帰っていると良いのですが。

警察官に質問されているとき、しゃがみこんでいる男の子の運動靴が

ぴかぴかと光っているのが今も印象に残っています。

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