映画の『それから』がじわじわ。

ずっと前に録画してあった映画の『それから』を観た。漱石原作のあれです。

映画に出演している松田優作を初めて観たのだけど、すごく雰囲気があって、代助にぴったり。わたしとしては松田龍平のほうが馴染みがあるので、どこを見ているのか、何を考えているのかわからないあの表情が、まさにそっくりでした。


原作が大好きすぎて、自分の結婚式に『それから』のなかでキーとなる百合をたっぷり使ったくらいで。だからこそ、実写映画を観るのがちょっと怖かったのですが、本当に良かった。ところどころ、なんとなく『My Own Private Idaho』のような静止画のアートっぽい演出も、いやな感じではなく程よく。終わらせ方もすばらしい。まさに、こんなのイメージしてました!っていう感じです。

ちなみに、ひさしぶりにこの時代の日本映画を観たのですが、演出もあると思うけど、登場人物たちの動きのスローさにドキドキしてしまいました。現代社会がいかにあくせくしているか。当たり前だけどスマホもPCもない時代で、手紙で連絡したり、いきなり会いに行ったり。自分も子どもの頃はそうだったけど、もう本当に遠い世界のことのようです。

着物×ゆっくりの動作の色気よ。

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