言ってはいけないことを読みたい。

時が経つのが早すぎる気がする。もう3月。

お仕事もいろいろ、俳句やパン講師の活動もいろいろ動いており、書きたいなぁと思いながら、こんなにも、のろのろしております。

スキマ時間はもっぱらPodcastだったのですが、どうも活字が枯渇してきたようで。ダダっと読んだものが、ほんとうに心地よかったので、メモ。今さら感のあるもの、たっぷりでお届けします。


『しょぼい生活革命』
内田樹さん×えらいてんちょうさんの対談。残しておきたいのは、「成熟と複雑さ」のこと。一言でいうと、どういう人間ですか?長所は何ですか?という、あるあるの就活の質問に答えることで、人は「呪い」にかけられてしまう。「要するな」という姿勢を忘れない。でも無事に暮らすには、「要する」ことから逃れられないのだけど。


『民主主義ってなんだ?』
高橋源一郎さんとSEALDs中心メンバーの対談。高橋源一郎さん好きだし、結局、SEALDsとは何だったんだろうか、、と今さら読んでみました。(2015年の!)高橋先生の講義…みたいでその点では面白く読みました。あと、活動を起こす人ってどういう人なのか。話し言葉が行き過ぎてるところは読みにくかったかなぁ。


『ゆるくても続く 知の整理術』
phaさんに共感しすぎてつらい。クラピカがどうやって念の鎖を使えるようになったのか、ボス戦だとしたらどう戦うかとか、本当にたとえが「こっち側」でホッと落ち着きます。ほんと、ゲームとかマンガで考えてみようよってことですよ。いろいろな思考本でも結局言ってることは大体おなじだけど、しっくりくる感MAX。出会えてよかった。


『未来の年表』
人口減少で、実際なにが起きるのか。過程はすっ飛ばしても、最後の筆者なりの「で、どうすればいいのか」だけでも読んだほうがいい。もうチマチマ小手先のことじゃなくて、根本から変えないと。この本を書くきっかけになったという、筆者が聞いた女子中学生のひとこと「大人たちは何かを隠していると思っていた」って、ほんと、それ!


『abさんご』
2013年の芥川賞って、もういつですかって感じですが…。もう本当に冒頭から挫けそうになる。グッとこらえつつ、読んだ人たちの言葉をガイドとしながら読んだ。すごく読みにくい、でも途中からするっと入ってくるようになるんですね。この体験は不思議。滝口悠生さんの作品的に捉えると良いのかもしれません。縦書で書かれているタミエ三部作も、美しく恐ろしくて良かった。


改めて、いま読みたいもの、必要なものには自然と出会えるものだと感じる。『abさんご』のような、「生活」のなかでは言ってはいけない(黙殺される)ことを書いた文章が世の中に出版されて、文学があってくれて、本当に良かったと思う。日本という「国」はそうでもないけど、そういうところが好きです。

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