NHK俳句「春待つ」で三席をいただきました。

年明けから縁起が良い。

今日放送のNHK俳句で三席をいただきました。まさか今回も三席までに入ると思っていなかったので、本当に驚きましたし、すっごくうれしかったです。


待春やスーツケースの鍵四桁


「待春(たいしゅん)」は、今回の兼題「春待つ」の傍題です。 NHK俳句への投句はいつもだいぶ先の季語が題となるので、いまの実感というよりほんとうに想像力が試されるという感じ。昨年はとくに11月まで暑いくらいという異常気象で、もちろんコロナもあり、翌年いつもの春なんて来るのだろうか…というあまり期待感を抱けない状況での句作だった。


自分の期待する春は何だろうか。


2020年の春のことを思い返してみた。

わたしたち夫婦は、ゴールデンウイークにカナダのモントリオールに行く予定だったのだ。ちょうどクルーズ船での対応が世界的にわりと非難され、アジア人というだけで各国で差別や偏見が広がっていたと報じられていた頃。この状況では行けたとしても楽しい思いはできなさそうで、eTAも取得していたけどギリギリでキャンセルしました。

ということで2020年はずっと、おうちで『世界ふれあい街歩き』『駅ピアノ』を見ては、カナダ行きたいー、いやどこでもいいから海外に行きたいーと、ふたりでぼやいていたのです。

わたしにとって、春が来たと呼べることのひとつは、自由に旅ができること。それって、多くの人にとっても待ち望んでいることなのではないだろうか。

旅の楽しさの象徴が、スーツケース。さらにその鍵のナンバーは、持ち主それぞれが設定する、その人だけの特別なもの。4桁の数字そのものに何か背景や理由があるだろうし、それを思い出すたび、過去の旅の思い出も浮かびあがってくる装置になるはずだと考えた。


コロナ禍の思い通りにいかない現実に向き合いながらも、いつかそのスーツケースに荷物を詰め、異国の見知らぬ道の上でゴロゴロと引く春が来る。そんな祈りを込めて。


以上、俳句超初心者の今回の句作における浅はかな考えでした。

まだまだ、わたしの俳句の道ははじまったばかり。自信を持って出せる句を、自分だと言える句をつくるために、精進していきたい。

いやー、それにしても海外行きたい。

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