NHK俳句11月号で佳作をいただきました。

  2020年『NHK俳句』11月号で佳作をいただきました。



顔から脚へ蟷螂の咀嚼音


兼題は「蟷螂(かまきり)」。社会人になり、都内に住んでから蟷螂を見たことがあっただろうか。全然思い出せません…。でもいまは茨城にいるからだと思いますが、よく見かけます。俳句のために意識していたからというのもありますが、今年はいろんな蟷螂の姿を見ました。

あるときは、ベランダの床に。洗濯物をとりこもうと思ったらズンと鎮座していました。これがまた、全然逃げないんですよ。音をバンバン立てても細い脚をスロー再生しているかのようにゆーっくり動かすだけで。しばらく放置していたらいなくなっていましたが。

そしてあるときは、外出しようと出た玄関先に。こちらも全然逃げないなと思って、諦めて出かけたのですが、帰ってきたら立ちポーズのまま蟻たちに食べられていました。巨神兵みたいな感じで。

さらにもう秋に入った最近のこと。おそらくクルマに轢かれたのだろうと思いますが、形はほぼそのまま。うつむいた状態で、お腹から内臓を出した状態で死んでいました。

そんな今年見た蟷螂たちはみな、生きている間はもちろん死ぬまで胸を張り、自分のペースを崩さなかった。まさに威風堂々という言葉がふさわしい。蟷螂、かっこよすぎるよ。

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