祖母のこと。

母方の祖母が亡くなった。88歳だった。

 熊本に暮らす祖母とは、わたしが大学生になったくらいからあまり会う機会がなくなっていた。最後にきちんと会話した時は、近くに住む小さな従兄弟たちを可愛がっていて、ちょっとさみしいような気分になったことを覚えている。

 晩年、介護施設に入っていた祖母。夫とはじめて挨拶に行った時には、わたしのことももうわかっていなかったようだった。熊本地震の前年だった。

 コロナの影響で、ご近所の目があるから関東からの人数は減らしてほしいとの要望で、結局は通夜・葬儀は両親だけが参列。孫であるわたしたち兄弟は、お別れが言えなかった。 

 お葬式は、亡くなった人より、残された人のためにあるんだろうなぁと改めて感じる。そして、そこに立ち会えなかった人は、どうすればいいんだろうな。困った。

とにかく、わたしには、こうしてぐるぐるとした想いをまとめることくらいしかできない。でも、今しか残せないことがあるだろうと思うので、祖母を思い出すときに浮かぶイメージを書き連ねて置くことにする。

 大仏さまみたいな、おでこのまんなかに黒子。

 飼ってるのか、勝手に入ってくるのか、集まってくる猫たち。

 帰るたび、どんなおもちゃを買ってもらおうと想像していた。

 ちっちゃいとき、トイレが底なしでこわかったよ。

 ふるふるのカスタードにフルーツ入れたやつ、つくりかた聞いておけばよかったな。


 顔みていえなかったね、ありがとう!

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